ゼミは教室だけで終わらない!小嶋ゼミが東京の企業を訪問しました

関西大学経済学部の小嶋健太ゼミでは、大学で学ぶ経済学の知識を実際の社会や企業活動と結び付けて考える機会として、3年次生を対象に企業訪問を行っています。就職活動が本格化する前に、いくつかの業種の企業の現場を見ることによって、学生の見識を広げることも目的のひとつとなっています。
今年は、2026年8月24日・25日の2日間、東京にある企業3社(株式会社アシスト様、Leverages株式会社様、METATEAM株式会社様)を訪問しました。すべて小嶋ゼミの卒業生が就職した企業であり、企業や業界の説明、職場見学、実際に働く方々との就職活動に関する懇談などを行っていただきました。また、企業の日々の業務でどのようにAIが活用されているのかをお聞きし、AIが発展し続けるこれからの社会で求められる人材について考えるきっかけも提供していただきました。大阪に帰るときには、ゼミ生たちは、自分が目指すべき将来像を見据えたうえで、いまのうちからできることに積極的に取り組むモチベーションが高まったと言っていました。
以下は実際に企業訪問に参加した3年次生のレポートです。
AIが発展する社会で、人に求められるものとは?
今回の企業訪問で、3社に共通していたテーマが「AI時代における人の役割」です。
AIによって仕事がなくなるのか、それとも仕事そのものが変化していくのか。実際にAIを活用して事業を行っている企業の方々からお話を伺うことで、学生が想像するだけでは分からない、企業の現場から見たAIとの向き合い方を知ることができました。
株式会社アシスト ― AIと人、それぞれの強みを生かす
株式会社アシスト様では、AIと人それぞれの得意分野についてお話を伺いました。
AIが得意とするのは、「探す・整理する・作る」といった作業。一方、人が得意とするのは、「物事の背景を考える」「判断する」「対話する」といった活動です。
AIに仕事を任せることを単純な「置き換え」と捉えるのではなく、AIと人がそれぞれの強みを生かして共存していくことが重要だという考え方に共感しました。AIによって情報の整理などにかかる時間を短縮できれば、その分、人はより多くの人と対話し、関係を築くことができます。AIを活用することで、人にしかできないことにより多くの時間を使えるという視点を学ぶことができました。
また、社員の方々との座談会では、就職活動の軸をどのように決めたのか、どのように就職活動を進めたのかなど、学生目線に寄り添ったお話も伺いました。関西大学出身の社員の方々が、通常の企業説明会にはないメニューをたくさん準備してくださり、非常にあたたかい雰囲気の中で私たちの訪問を歓迎してくださったのが印象的でした。
なお、株式会社アシスト様は自社のブログで今回の訪問についての記事を公開されています。当日のメニューの詳細や企業側から見たゼミ生の印象など、詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください。

Leverages株式会社 ― AIによって「仕事は変化する」
Leverages株式会社様では、「AIによって仕事がなくなるのではなく、仕事そのものが変化する」というお話が特に印象的でした。
AIによって代替される領域が生まれる一方で、新たに求められる領域やスキルも増えていきます。その中で、これからは単に作業をこなすだけではなく、「結果を出すこと」がより重要になるという考え方を学びました。
そのために必要となる力として挙げられたのが、「問いを立てる力」「必要な情報を見つけ、選別する力」「実行力」です。例えば、これまでは「どのように問題を解決するか」を考えることが重視されていました。しかし、これからの時代には、そもそも「どの問題を解く必要があるのか」を考え、目的から逆算して取り組むべきことを決める力が重要になります。
また、AIが過去のデータから「正解のようなもの」を素早く導き出してくれることで、「正解」そのものの価値が相対的に下がっていくというお話もありました。だからこそ、失敗を恐れずに試行錯誤を重ね、その経験から学び、新たな価値を生み出していくことが重要になると考えられます。
このほかにも、オフィスツアーや社員の方々との座談会を通して、実際の職場環境や楽しそうに働く方々の姿に触れることができました。就職活動のときにどういうことを重視していたか、仕事をするうえでの心構えも伺い、一線で活躍されている方々とお話しできたことが財産となりました。

METATEAM株式会社 ― AIと協働し、人にしか生み出せない価値を
METATEAM株式会社様では、AIによって情報収集をより簡単かつ迅速に行えるようになったことで、人間がより多くの「問い」を立てられるようになったというお話を伺いました。
AIを単に導入するのではなく、AIと協働することで、それぞれの強みを生かして価値を最大化することが求められているという考え方が印象的でした。AIとどう協働していくかを考える時代においては、AIへの投資が企業の競争力や成長につながることになるでしょう。
一方で、AIが正解を導き出すスピードが速くなるほど、人にしか生み出せない価値の重要性は高まります。コンサルティングの仕事では、その一つとして「人と組織を動かす力」が挙げられました。人を理解すること、関係を築くこと、進むべき道筋を示すこと、そして未来に対する責任を引き受けること。こうした力は、AIだけでは完結できない、人だからこそ発揮できる価値だと学びました。
さらに、ITコンサルティングの仕事を擬似的に体験できるワークにグループで取り組み、仕事の魅力を感じる機会も得ることができました。こちらでも関西大学出身の社員の方々にご対応いただき、小嶋ゼミ出身の先輩がゼミでの学習で役に立ったことや現在の仕事の魅力をユーモアたっぷりに話してくださいました。

企業の「今」を知り、自分たちの「これから」を考える
今回の企業訪問を通じて、AIの発展によって人の役割がなくなるのではなく、AIをどのように活用し、人にしかできない価値をどのように生み出していくかが重要になるということを学びました。
また、企業の方々から直接お話を伺ったことで、普段大学で学んでいることを社会の現場と結び付けて考えることができました。教室で理論を学ぶだけではなく、実際に企業を訪れ、そこで働く方々の話を聞き、仕事を体験する。そうした経験を通じて初めて見えてくるものがあります。
今回の東京企業訪問は、経済や企業活動の「リアル」に触れると同時に、これから自分がどのような力を身につけていきたいのか、将来どのように社会と関わっていきたいのかを考えるきっかけにもなりました。
小嶋ゼミでは、教室の中だけにとどまらず、企業の現場に足を運びながら大学での学びをさらに深めています。

【記事・写真提供:小嶋 健太 准教授、3年次生 加藤 湧喜さん】